大人計画所属の個性派俳優、皆川猿時さん。
NHKの朝ドラ『あまちゃん』や大河ドラマ『いだてん』での活躍からディズニー+オリジナルドラマ『季節のない街』での“猫”役まで、幅広すぎる役柄を確かな演技力で演じています。
今ではポッチャリ体型の皆川猿時さんですが、若いころはイケメンでモテていたのだそうです。
イケメンだった若いころから現在の活躍までを徹底的に調べてみました。
目次
皆川猿時の若い頃はイケメンだった?
皆川猿時さんの若い頃は本当にイケメンだったのでしょうか。
写真を探してみました。
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こちらは高校時代の写真だそうですが、確かにイケメンです。
皆川猿時さん曰く、「学生時代は今よりも40kg痩せていて、『少年隊のカッちゃん(植草克秀)に似ている!』と言われて、モテていた。」のだそう。
納得のスタイルと顔立ちですね。
皆川猿時の生い立ち
少年隊のカッちゃんに似ている(た)皆川猿時さんは、昭和46年(1971年)2月1日、福島県いわき市に生まれました。
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本名は皆川利美さん、2024年現在、53歳になります。
いわき市といえば、映画『フラガール』の舞台となったスパリゾートハワイアンズがあることで知られていますね。
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皆川猿時さんは、この地でどのような少年時代を過ごし、役者として成長していったのでしょうか。
生い立ちを紐解いていきましょう。
皆川猿時の少年時代
皆川猿時さんは3人きょうだいの末っ子として、福島県いわき市で生まれました。
きょうだいは、4歳年上の姉、1歳年上の兄がいます。
末っ子ということで、今でも自分に甘い部分があると、皆川さんはインタビューで答えていました。
皆川さんが生まれ育ったのは広い庭がある家で、小学生時代は近所の広場でよく野球をしていたという、活発な少年時代を過ごしていたようです。
引き算が出来なくて小学校の教室で大泣きしたというエピソードもあり、負けず嫌いな一面もあったのでしょうか。
この先の学生生活の中心となるバスケットボールは、小学生のころに始めたようです。
皆川猿時の中学時代~バスケ部キャプテンとして活躍~
皆川猿時さんは、いわき市立小名浜第一中学校に進学します。
校則で、男子は全員丸坊主だったそうです。
目立ちたがり屋の性格で、生徒会の副会長を務めていたそう。
部活はバスケットボール部で、3年時にはキャプテンになるほど打ち込んでいました。
なお、中学2年生のころ、初めての彼女ができます。
当時は照れ屋で、デートのときはまともに顔も見れないほどだったそうで、そのためかはわかりませんが、彼女とは交換日記をしていたのだそうです。
またこの頃に、漠然と俳優になる夢を抱き始めました。
きっかけは、女性アイドルグループの「おニャン子クラブ」。
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おニャン子クラブが大ブームになり、皆川さんは渡辺美奈代の大ファンになります。
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渡辺美奈代さんと俳優の渡辺徹さんが共演したドラマ『探偵桃語(1986年)』が大好きだったそうで、「自分も俳優になれば美奈代ちゃんと共演できるかもしれない」と、漠然と俳優になることを夢に見だしたのだとか。
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※渡辺美奈代さんとは、皆川さんが30歳のときに2時間ドラマで共演し、無事目標達成したそうです。
皆川猿時の高校時代~進学校でバスケ漬けの日々~
中学時代、バスケットボールに打ち込む中で、皆川さんはバスケットボールが強い高校に進学したいという思いが強くなり、志望校を「地元でバスケットボールが一番強かった」福島県立磐城高等学校に決めました。
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磐城高は県下有数の進学校だったため、1日10時間勉強し、見事合格。
高校でも3年間バスケットボール部に所属することになります。
バスケットボール部ではポジションは「ガード」。
ついたら離れないディフェンスが「ピラニアのよう」と言われたことも。
皆川さんは後に、高校生活と部活をとおして「好きな事を最後までやり続ける性格や人との付き合い方が培われた」と語っています。
部活の練習は厳しく、部活は楽しくやりたいタイプだった皆川さんにはそうとうきつかったそうです。
当時磐城高校は男子校だったため(現在は共学)、大会が終わると近所の磐城女子高(現・磐城桜が丘高。こちらも今は共学)のバスケ部と打上げをするのが楽しみで、それを部活の原動力にしていたようです。
部活を引退すると、進学校だけに同級生たちは大学受験に向かいます。
皆川さんは磐城高校のバスケ部に入部したいがために入学したようなものだったので、もともと3年間ほとんど勉強しなかったことも相まって、次の目標がなくなってしまいます。
中学2年のころ役者になりたかったことを思い出し、また、高校3年のときに学校の図書館で見つけた『役者になるには』という本を読み、「やっぱり役者になりたい!」と、高校卒業と同時に上京します。
なお、磐城高校の卒業生には俳優の中村敦夫さんがいます。
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皆川さんは2023年にNHK版金田一耕助シリーズ『犬神家の一族』で、犬神家の顧問弁護士・古館弁護士を演じていますが、中村敦夫さんも2006年公開の映画『犬神家の一族』で同じく古館弁護士を演じており、不思議なご縁を感じます。
役者を目指して上京~大人計画との出会い~
「役者になりたい!」という思い1つで上京した皆川さんは、大学に通う兄の部屋を拠点に、友人の家を転々としながら、『役者になるには』の巻末に書いてあった劇団の一覧に載っていた劇団のオーディションを受けていきます。
皆川さんは、オーディションを受けた中の一つ、「劇団東京乾電池」の研究生になります。
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当時、東京乾電池は、1980年代の大ヒットバラエティ番組『笑ってる場合ですよ!』内でコーナーを持っており、所属俳優たち(高田純次さんやベンガルさん)が出演していて、皆川さんは番組をよく見ていたそうです。
また、『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の中で暴れる高田純次さんも大好きだったそうで、「楽しそう」「面白そう」と思ったのが東京乾電池の研究生オーディションを受けた理由の一つでした。
画像出典元:X (画像は高田純次さん)
ただ、実際には、劇団の現場に高田純次さんはおらず、皆川さんが入ったころは、作・演出の岩松了さんが真面目なお芝居をやっていた時期。
画像出典元:X (画像は岩松了さん)
当然稽古もまじめで厳しいもので、「役者になりたい」という思いだけで上京している皆川さんは、もともと舞台を見てきたわけでもなく、エンタメと言えば地元のテレビで見てきたドリフやひょうきん族といったお笑い番組。
なんの予備知識もなく演劇の世界に入り、ついには研修生の卒業公演の稽古で、岩松了さんが後ろを向いた瞬間に皆川さんがおちゃらけた態度を取り、岩松さんにスリッパで顔を引っ叩かれ、それ以来「田舎に帰れ!」と言われ続けることに。
当然、劇団に残ることはできず、1年間の研究生生活は終わりを迎えました。
同じように残れなかった研究生仲間と自前で3本公演を打つものの、赤字続きで借金を背負い、その借金を返すためにバイト三昧の日々。
当時目白に店舗があった「串タロー」という居酒屋で、週6日・一日12時間働くという日々を1年間続けたそうで(22歳ごろ)、さすがにこの1年間の記憶はほとんどないそうです。
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※この「串タロー」のバイト自体は好きだったそうで、売れ始めて忙しくなってからも続けており、最古参バイトとして正社員とうまくいかなくなり31歳のときに辞めたということです。
串タローでのバイトに明け暮れていた日々の中でも、皆川さんは笑いをもとめて舞台には通っていました。
そのなかでも、後に入団することになる大人計画の舞台は別格だったそうです。
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尖っていてかっこよくて面白い。旗揚げから数年、ものすごく勢いがある時期だったのでしょう。
大人計画のオーディションチラシを見つけてオーディションを受け、1994年、24歳のときに大人計画に入団します。
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現在の芸名である『皆川猿時』は、主宰の松尾スズキさんがつけたもので、松尾さんから電話で芸名を告げられたそう。
理由は特に聞いていないそうです。
大人計画では東京乾電池とはちがう厳しさがあったようで、主宰・松尾スズキさんや宮藤官九郎さんが求める「面白さ」についていくのに必死だったそうです。
皮肉にも、大好きだった串タローのバイトを辞めてから、どんどん体重が増え始め、ちょっとずつお客さんにウケるようになっていったのだとか。
グループ魂のMC・港カヲル(下の写真で角を生やしている人=皆川猿時さん)も、この体格だからこそのキャラクターですよね。
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その頃に『面白いことができる役者になる』ことをはっきり目標に据え、今の皆川猿時さんの活躍に繋がっていきます。
ブレイクのきっかけ
数々の舞台や映像作品に出演し、グループ魂の『港カヲル』というキャラクターで紅白歌合戦(2005年)に出場するまでになった皆川さんですが、自身のブレイクは、2013年のNHK連続テレビ小説『あまちゃん』への出演だったと語ります。
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主人公のアキ(能年玲奈/現・のん)が通った高校の教師・礒野心平を演じた皆川さんは、初めてお茶の間の皆さんにウケ、街では多くの人に声をかけられたのだそう。
『あまちゃん』への出演は、皆川さんが脚本の宮藤官九郎さんに直談判して手にしたもの。
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朝ドラの脚本を宮藤さんが書くと知った皆川さんは、大人計画の本公演中に、宮藤さんの楽屋へ行き交渉したのだそう。
チャンスとタイミングをしっかりモノにして、インパクトある役柄を見事に演じ切りました。
この後、2019年のNHK大河ドラマ『いだてん』(脚本・宮藤官九郎)でも、主人公(阿部サダヲ)の友人役として重要な役を演じることになり、全国にその名前が知られることとなります。
皆川猿時の家族構成
今ではすっかり全国区の役者になった皆川猿時さんは、どのような家族に囲まれて育ち、現在どのような家庭をもっているのでしょうか。
調べてみました。
皆川猿時の両親について
皆川猿時さんを生み育てたご両親は、一体どのような方々なのでしょうか。
皆川猿時の父親
皆川猿時さんの父親は、化学工場に勤めていました。
子供のころはとにかく父親が怖かったらしく、威厳のある昔のお父さんを地でいく人だったそう。
3交代制の工場で、夜勤明けは静かに過ごさなければと思っていたのだとか。
ただ、皆川さんが小学生のとき、宿題の作文のために仕事について尋ねたところ、実際の仕事内容には触れず「チョコレートや耳かきを作っている」と答えたそうです。
意外と茶目っ気があるタイプなのかもしれません。
父親は、皆川さんが中学3年生のころに単身赴任で大阪に異動が決まり、高校3年間は離れて暮らすことに。
皆川さんが高校卒業と同時に役者を目指して上京する決心を電話で伝えた際には「やっぱり就職してほしい」という話をされたらしく、喜んで送り出すということはなかったそうです。
父親とは、大人になってからお互いによく話をするようになり、家庭をもって子育てをしていくなかで、父親の大変さを実感しているそうです。
皆川猿時の母親
皆川猿時さんの母親は、主婦として父親を支える存在だったそうです。
ほんわかして明るい性格ながら子供たちをよく叱っていたそうで、どうやら父親が怒る前に空気を読んで怒る役割をしていたようで、皆川さんが思うに「和を乱さないようにしていた」ためなのではないかということです。
皆川さんが役者になると決心したときは、反対こそしなかったものの、上京した皆川さんが当初転がり込んだ兄の部屋を出て、一人暮らし用の部屋を借りるため保証人の相談の電話をしたところ、一言「帰ってきな」と言われたのだそう。
母親は当初、皆川さんがすぐに帰ってくるものだと思っていたようで、母親の思いを実感した皆川さんは電話口で泣きそうになったそうです。
皆川さんは両親への親孝行についてインタビューで尋ねられた際、「今の仕事を頑張ってテレビなり、映画なりで活躍する自分の姿を確認してもらうことが一番だと思う」と答えています。
今の皆川さんの活躍は、離れて暮らすご両親にとって、なによりの親孝行となっていることでしょう。
皆川猿時の姉と兄について
皆川猿時さんには、4歳年上の姉と、1歳年上の兄がいます。
皆川猿時の姉
一般の方のため情報は出てきませんでした。
皆川さんが2017年・NHKおはなしのくに『さるかにがっせん』で朗読と一人芝居をした際、皆川さんは姉の知り合いの保育士さんから「(園児が)みんな集中して見ていた」「喜んでいた」と褒められたそうです。
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皆川さんの姉も知り合いも、皆川さんの活動を応援している様子がうかがえますね。
皆川猿時の兄
一般の方のため情報は出てきませんでした。
皆川さんの兄は、皆川さんより一年先に大学に通うために上京しました。
役者を志して上京した弟(皆川さん)を自分の部屋に住まわせるという、弟の夢を応援する兄であることがうかがえます。
皆川猿時の嫁について
皆川猿時さんの妻は、皆川さんと同じ大人計画に所属する女優・田村たがめさんです。
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田村たがめさんは1974年1月18日生まれ、静岡県浜松市出身です。
ドラマ『救命病棟24時』やアニメ映画『サマーウォーズ』に声優として出演するなど、多岐に渡る活動をしています。
皆川さんと田村さんは、大人計画の同期で、劇団での初舞台も1994年の『愛の罰』で一緒に踏んでいます。
入団当初から付き合い始め、10年の交際を経て2004年に結婚しました。
皆川さんは田村さんの印象を、「なんかもう、かわいいな。と思って。」と後に語っています。
2人は舞台の感想やお互いの演技のだめだしをして喧嘩をしたりと、役者同士として切磋琢磨してきた仲。
大人計画の劇団員として、同じ舞台に立つこともある2人。
最近ではお互い褒め合うようになったそうです。
皆川猿時の子供について
皆川猿時さんと田村たがめさんとの間には、2人のお子さんがいます。(一男一女)
長男は、平成18年(2006年)生まれで、18歳になる歳です。(2024年現在)
長女は、平成20年(2008年)生まれで、16歳になる歳です。(2024年現在)
お子さん2人とも顔出しはしておらずあまり情報はありませんが、2人ともバレエを習っていたそうです。
長男が生まれたときのことを、皆川猿時さんは後にこのように語っています。
「長男が生まれたとき、ふっと肩の力が抜けた。『この子は、頑張ってもせいぜい俺くらいにしかなれない。でも、俺くらいになれるのなら、何とか生活はできるだろう』」
このような気持ちになり、もっとふざけてもいいかと開き直れたことで、一気に楽になり、その後の役者人生が開けたようです。
ちなみに、長男は貴公子の顔立ちで、好きなうまい棒はコーンポタージュ味なのだとか。
また、長女は、皆川さんが出演していた朝ドラ「あまちゃん」をしっかり見ていたらしく、皆川さんが「あまちゃん」の撮影終了が近づいてきたことを明かしたときには、「あまちゃん終わるの?参った~。」ととても残念がっていたそうです。
朝ドラに出演したことで、長女にとって皆川さんは自慢のパパになったようです。
皆川猿時の現在の活躍と今後の展望
現在でも年に2回は地元・福島県に帰省している皆川猿時さん。
2022年、地元いわき市の“いわき応援大使”に就任し、すっかり地元の顔になっています。
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50代を迎えて、大人計画の本公演や宮藤官九郎作・演出の公演、外部公演といった舞台作品はもとより、映像作品(テレビや映画等)にも重要な役柄で毎年コンスタントに出演しています。
2023年にディズニープラスで配信された『季節のない街』(宮藤官九郎監督・脚本)では、猫という人外の役を演じるまでに。
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コミカルな役からシリアスな役まで幅広い役を演じ、多くの人から支持を得ている皆川猿時さん。
面白いことができる役者として、私たちに笑いと驚きを届け続けてくれることでしょう。
皆川猿時さんの今後の活躍が楽しみです。